2012年10月8日月曜日

第四回作曲家クラブ

なんだかんだで今回もメンバー全員ちゃんと作ってきた。すごい。

前回の日記のそれから、を。

金曜日
昼勤あがりにスタジオへ。個人練が取れたのが20時~21時だったので、直前まで西院の喫茶フロントで歌詞を考える。歌詞を考える楽しみっていうと、譜割りにぴたッとはまる歌詞が思い浮かぶことももちろんやけど、ふと浮かんだ言葉ひとことに引っぱられて、退屈してた物語の展開とか結末だとかが一気に別の地平に開ける瞬間があって、その瞬間は周りの景色が霞んでしまうほどだったりする。その言葉だけを取り出したら別になんてことないひとことやけど、さっきまで作ってた文脈に放り込むと一気に化学変化を起こして別のものになってしまう様な、言葉のすごいところ。もちろん歌詞に掛ける時間の大半は「絶対出来へんやん」っていうしんどい時間の方が多いけど、それでもそういう瞬間が来て光が差して、そしてその後はまた「つづき絶対出来へんやん」っていうしんどい時間が。一生遊べるんちゃうか。とりあえず、スタジオまでの喫茶店で曖昧ながら歌の方向が「朝」っぽい感じに定まる。

京都最安?スタジオ、西院ビルボードにて。それまでに浮かんでたギターの進行を弾いてみて、実際に歌声を出しながら展開などを考える。一時間しかないので醜声にひるまず歌う。そろそろGキーから離れたいとか思いつつ、やっぱりGは歌いやすいし、おまけにお題のブラックバードもGなので、やっぱGでいいやと思う。スタジオ帰り、まだ全然曲が完成してへんのに西院折鶴会館の立ち飲み屋さん「才」へ行ってしまい、ほろ酔う。そして帰宅後結構すぐに寝てしまう。アホかよ。

土曜日
まずはバイト。バイトあがりの18時の時点でまだ歌詞が完成していない。歌詞が全部ないことには全体の細かい部分が決められないので録音が開始できない。まいった。アパートでぼそぼそ歌っても何言うてるかよくわからんので、前々回から発表会前日にスタジオ行って歌を録る方式にしてて、今回もそのつもりだった。バッキングトラックを流し込んだMTRをスタジオに持っていって歌を録音するので、少なくとも前日夜の時点でイントロからアウトロまでの連続したトラックが必要になる。が、考えてるうちに夜中になって雨まで降ってきやがって、結局夜のうちにスタジオ行くのは諦め、発表会当日13時の集合時間までに全部の楽器と歌を自宅で録音することにした。今回はテーマがブラックバードなので、1本のアコギがあれば十分とも思えたし。じたばたせずに歌詞だけを考える。一行だけ悩ましい部分を残して大体できた気がしたので、ずばり「朝」という曲が入ってるサニーデイサービスの4枚目を聴いて寝る。いつ聴いても最高やなぁ。ちなみに「bye bye blackbird」という曲も入っている。

日曜日
8時起床。アコギの録音から。アコギというか、リゾネーターギターを使ってます。これしか持ってない。ギターのフレーズは数日前から出来てて、歌詞考える際もしょっちゅう弾いてたので難なく録れた。アコギはマイキングが要とよく言われるけど、あちこち試す時間はないので、ひとまず入門書通り、12~14フレットの前あたりからボディ方向へ、若干下向きのオンマイクで録音。

ブラックバードといえば革靴の音かな?とユーチューブ見て思ったので、冠婚葬祭用に買った国産チェルシーブーツ(パチもん)を履いてアパートの床を鳴らす。階下の住人に悪いのでトントントンくらいにしか鳴らせない。録れた音もいまひとつな感じだった。

間奏部分が寂しい。ポールが弾いてるアレ級の必殺アルペジオリフならそれだけで間奏を持たせられるけど、自分のじゃ無理やと気付き、バンジョーを入れる。いつまでたっても弾けないバンジョーをピックで弾く。少し英トラッドを意識、というか後半のフレーズは持ってるレコードのどれかで確実に聴いたことある。

いよいよ歌。布団(イケア製あたたかさレベル5の掛け布団)にくるまって真っ暗の中ハンドマイクで歌う。 普段GキーでD音とか歌うとき、張った声で歌う以外の技量がないけど、アパートで歌うやましさもあったのか、息が抜けたような変な声だった。いつも通り、使えそうなのを2トラック分用意出来るまで歌う。

靴の音がイマイチだったので、奥義「タンバリンをブラシではたく」に手を染める。これはタンバリンを膝にのっけて、ドラム用のブラシでカサカサ叩いたものをオンマイク録音する手法で、この手の曲に相当使える小技。きっちり録って、必殺EQが決まればほんまにええ感じの音が出せる。今回EQのポイントが全然思い出せなかったので適当にしてしまったけど、それでもこのトラックをミュートオン/オフして聴き比べてみると相当効いてるのがわかる。

最後に、音楽作るならいつかやってみたいこと(テープ逆再生とか)ランキング50位以内に入ってた「猫の声を入れる」に着手。黒猫ベティはお腹が空くと上目遣いで鳴くのだが、それをアイホンのボイスメモに録音していたのだった。ブラックバードでも鳥の鳴き声のSEがふんだんに使われているので、ここでやらなくていつやるか、という感じ。ベティの出番は間奏明け、Cメロ後のブレイク部分で大いに美声を聴かせます。

以上、ギター/靴/歌/歌/タンバリン/猫/の全7トラック。基本はギターと歌なのでミックスもラフに終わらせる。薄々気付いてたけど、やっぱりブラックバードにはならない。それこそが和製の醍醐味で全然イイんですけど。フォークとかカントリーとかトラッド音楽をポールがああいう形で出して、それを聴いた日本の青年が再びフォークに戻してしまったような。ではどうぞ



いろいろアクシデントがあったりして、発表会もいつも以上に盛り上がった。今回みんな楽器とかトラック数自体少ないのに、それでもやっぱり三者三様。めちゃ面白い。 その後もライブに行ったり、長い長い一日だった。いま時間がないのでまた書こう。

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